ファイナリストの進路・活躍

西川 涼さん

チームで協力する事の大切さ、面白さに気づき「最高の仲間」に出会えた!

高校: 岩田高校(大分県)
大学: 九州産業大学 芸術学部 写真映像学科 卒業
所属: 株式会社ロックハーツ 東京支店 支店長

コンテストの経験は、大学進学や今の職業やこれまでの進路にどのような影響がありましたか?

ThinkQuest(現全国中学高校Webコンテスト)を通じて、私は『最高の仲間』に出会いました。 それまでの自分は一人で全部こなしてしまう一匹狼でした。TQを始めた当初『自分一人で作ればいい…』そう考えていました。
しかし、チームを結成してすぐにチームメンバーの相馬(後の副隊長)にこう言われました。
「これは一人じゃ作れん!!みんなで協力せないかんばい!!西川!!…頼りにしとるぞ」
この言葉は今でも覚えており、この言葉で私は救われました。
チームで協力する事の大切さ、面白さに気づき、その後の進路において誰かを楽しませるコンテンツを作りたい、そして自分の母校やチームメンバーに恩返しがしたいと考え映像制作の道へ進みました。

これまでの歩みを振り返り、コンテストに参加して学んだこと、得た成果は何だったでしょうか?

TQに参加して一番学んだことは『独自性』でした。Web制作はメンバー皆初めてでしたので限られた期間内に自分たちのスキルでどこまでやれるのか、どうしたら印象に残るのかを考えました。
チーム内で話し合った結果『釣り』というテーマに決まりました。これは過去にないクセの強すぎるテーマでした。クセが強すぎる故にこのテーマに賛同してくれる味方はほとんどいませんでした。
「このテーマでは成功しない」「ふざけているのか」「日本史の方がいいぞ!!」
など言われました。TQの〆切は迫っていました。
『振り切るか』『妥協か』そう考えた矢先、チーム内会議でメンバーの宗岡がある曲を聞かせてくれました。それがkokuaとうグループの『progress』という曲でした。この曲はNHKのプロフェッショナル 仕事の流儀という番組のテーマ曲です。
その曲を聞かせてくれた宗岡が曲の歌詞である言葉を私に向かって言いました
「あと、一歩だけ、前に進もう」
そう言って宗岡は部活へ行ってしまいました。普段物静かな彼が放った一言はチームメンバーの気持ちを代弁しているものだと気づきました。
チームメンバーの気持ちは固まっている。残るは西川自身の決断でした。
色々な感情が渦巻く中、今の気持ちをメンバーに伝えよう。そう思い皆にこう伝えました。

『責任は八木先生が取ってくれる。テーマは釣りにしよう!!絶対に勝ちに行く』

言った瞬間僕は急に不安になりました。
口に出した事で後に引けない感じがしたからです。しかし、メンバーの表情をみるとその不安も消し去りました。
そこにはやる気に満ち溢れたメンバー達がいたからです。
周りの意見を聞くことも大切ですが『自分たちがどうあるべきか』そこが1番大切だと私は考えています。

人生において決断する場はいくかつも訪れると思います。その岐路に自分がたった時に、恐れずに自分自身の信じた道へ一歩踏み出す、という勇気がとても必要になってくると思います。
『独自性がある』という事は自分だけの強み、または武器があるということです。
私自身の独自性は仲間がいたからこそ作れたものだと思います。
仲間がいることで新たな道へと踏み出す勇気をもらえました。そして、TQでは金賞という名誉ある賞を頂くことができました。
本当に良かったと思います。

この経験は、その後のご自身の学習活動や仕事にどのように活かされていますか?

TQを経験したことで、ものづくりの楽しさに目覚め、大学では映像制作の道に進みました。大学での4年間は本当に楽しく、TQで培ったコミュニケーション能力や企画力を当時所属していたテニスサークルや映像制作の授業で発揮することができとても充実した学生生活を送ることができました。

社会人になっても勢いは止まらず入社3年目にして東京の支店長を任されるまで成長できました。
TQで学んだ事はすべて良いことだけではありませんでした。いつも失敗を繰り返しトライアンドエラーの日々でした。
しかし、高校生という限定された空間の中で最善をつくす方法を常に考え前に進んできました。そこには自分ひとりだけではなく仲間の存在はあったのはもちろん、今になって感じることとして陰ながら支えてくれた先生方のおカがあってこそだと思います。

諦めず歩を進める事、仲間の大切さそして釣りの楽しさを教えてくれたと私は思います。

TQとは、『人の生き方を、本当の自分を探せる場所』だと私は思います。
最後に一言....

「あと、一歩だけ、前に進もう」

受賞作品