制作者による作品紹介
華やかな国風文化の栄えた平安時代も裏を返せば鬼や妖怪が夜を支配する闇の時代。そんな中に現れた陰陽師、安倍晴明は、非凡な才能を発揮して、その時代を生きた人物です。晴明は呪術を用いて京の都を絶えず守護し、都の外から隙あらば入り込もうとする鬼達を牽制していました。
この陰陽師、安倍晴明の生涯は謎に包まれています。出生からして化生の者だと言われるような得体の知れない人物なのです。勿論、当時から現代に至るまで謎めいた魅力を放つ晴明にまつわる物語は数多く作られ、様々な晴明像を人々に投げかけてきました。
この作品は、平安・鎌倉時代に編纂された説話集を中心に、それらに描かれる安倍晴明に焦点をあてています。そして、闇の時代と言われる平安時代を読み解き、謎に包まれた平安京の姿を追うことがこの作品の目的です。 |