制作者による作品紹介
近年、伝統芸能界は後継者不足のため、絶滅の危機を迎えつつあります。 私たちは、これはとてもよくないことだと考えました。そしてその危機を救うことができる存在である若者に向けて伝統芸能の素晴らしさを伝えたいという思いで「伝統芸能」というテーマを設定しました。 「伝統芸能」というと、とても堅いもの、というイメージを持っている方が多いと思います。その悪いイメージを払拭するため、伝統芸能の中でも有名な、歌舞伎、能・狂言、長唄、日本舞踊、箏・尺八の5つについて取り上げ、イラストを交えながらわかりやすく紹介していきます。 すべての漢字にはフリガナを振り、カモメのキャラクターであるかもめんに説明してもらう、という形式にしました。フリガナはオン・オフを選択でき、また、文字の大きさも3段階で選べるようになっています。こうすることで、小さな子供でも読むことができ、幅広い世代の人に伝統芸能の良さを知ってもらえるようになりました。 この作品を見た人たちが伝統芸能について知り、世界へと発信していけるようになればと思っています。そして、10年後、100年後、それよりももっと先の日本人が伝統芸能に親しみ、「世界に誇る、日本の伝統芸能」が出来上がっていくことのきっかけになればと思います。
最終審査員 吉川 厚 (株式会社Edulab 主席研究員)
「伝統芸能」という題材を、上手に扱っています。簡単に解説することで低学年向けということではなく、ルビをふってより正確に説明するという姿勢もよいと思います。また、インタビューが秀逸で、コンテンツの価値を大いに高めています。