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制作者による作品紹介
今回、webコンテストのテーマ決めをしている時、メンバーの一人に妖怪のことに詳しい人がいました。その話を聞いていくにつれ、他のメンバーも妖怪に興味を持つようになりました。 また、今、小学生の間で妖怪ウォッチが流行っていたり、妖怪図鑑の新刊が次々と発刊されていることにも刺激を受け、日本中で語り継げられている妖怪ではなく、自分たちの住んでいる奈良に絞って『奈良の妖怪辞典』を作ることにしました。まずはじめに、この妖怪辞典の目的は、化け物図鑑を作ることではありません。それぞれの妖怪には、ひとつひとつ成り立ちや背景があり、人々の暮らしと結びついて生まれてきたと思われます。例えば、奈良の妖怪として有名な「一本だたら」は、その地域の厳しい気象状況が背景にあったりします。また、昔の人々にとって説明できないような事故や災害を理屈づけるために「天狗」を登場させたり、子供への戒めとして語られた妖怪「ガタロ」などもあり、そこから昔の人の考え方やくらしを想像することできます。 そうした古くからの奈良の文化と私たち現代人との関わりを探ってみたいと思っています。このWebサイトの特徴は、オリジナルのイラストと考察です。図書館などで調べたものだけではなく、実際に妖怪がいたとされる場所に行き、私たち自身が感じたり聞いたことをもとに、それぞれのイラストを描いてみました。また、考察では、メンバーでずいぶんいろいろと意見を交わしたレポートです。
最終審査員 原 克彦 (目白大学 社会学部 メディア表現学科 教授)
「妖怪」という独創的なテーマに対して、学習者が興味を引くような写真や映像、テーマを意識した配色による効果、学習者の理解を促す工夫などたいへん意欲的な作品に仕上がっています。また、自分たちの足で情報を集めるだけでなく、参考文献などで根拠を明確にし、収集した情報と地図をリンクすることで、丁寧に調べた情報を分かりやすい構成に仕上げています。情報を正確なものにする体験を今後も大切にしてください。