教材Webページコンテスト ThinkQuest(シンククエスト)の
取り組みと実践

ThinkQuest 日本プログラム事務局
望月 なを子




1. ThinkQuest(シンククエスト)とは
   1-1 コンテストとライブラリー
   1-2 国際コンテストと国内コンテスト
2. ThinkQuest@JAPANへの取り組み
   2-1 ThinkQuest@JAPANコンテストの概要
   2-2 学校参加の例として(芝浦工業大学柏中学高等学校)
   2-3 在宅学習者の参加例として(アットマークインターハイスクール)
3. 最後に




1. ThinkQuest(シンククエスト)とは

 学校へのインターネット導入に伴い、「情報教育」「総合的な学習の時間」「国際理解教育」を中心として、インターネットを活用した様々な取り組みが、各校で実施されている。調べ学習にインターネットのサーチエンジンを用いたり、Webページを作成し、Webサイトを公開したりといった実践は、学校現場においても、日常茶飯事になりつつあるが、インターネットの特性を大いに生かした使い方がされているかどうかは、試行錯誤の最中かと思われる。
 ThinkQuest(シンククエスト)は、インターネット上の教育教材の充実と次のインターネット世代の人材育成を目的に誕生した、世界最大規模を誇る、教材Web ページのコンテストである。「実践こそ最良の学習方法」という基本理念にもとづくこの新しい学習スタイルについて、紹介していきたい。


 1-1 コンテストとライブラリー

 ThinkQuest は、2〜3人(12〜19歳)の中高生と、1〜3人のコーチ(多くの場合教師)が一つのチームを組み、半年から1年をかけて、一つの題材についてWeb教材を制作し、その出来映えを競うというコンテストである。
 応募部門は「科学・数学」「芸術・文学」「社会科学」「スポーツ・保健」「学際(複数の学問分野にまたがるもの)」の5つがあり、選ぶテーマは自由であるが、世界中の生徒に役に立つ内容であることが条件となる。教材といっても、教科書に沿った題材を選ぶ必要はない。自分の興味ある題材を、自分自身で選ぶことが可能だ。

 チームのメンバーは、クラスメイトでもよいし、異なるクラス、異なる学校、異なる国の生徒でもよい。コーチも必ずしも学校の先生である必要はなく、保護者や大学生などの大人でもかまわない。むしろ、異なる学校、異なる国のメンバーで構成されている方が、審査の段階で高得点を得られる仕組みになっている。これは、インターネットの特性がより生かされるために、設けられた基準である。

 「Think」=「考える」「Quest」=「探求する」という二つの単語からなる言葉に象徴されているように、ThinkQuest の作品制作は、題材について、情報収集を行い、文章をつくり、デザインし、さらには、一つの教材サイトを利用者に使ってもらえるようPRしていく、という一つのサイクル全体を指している。このプロダクトサイクルをチームのメンバーがそれぞれの得意分野を発揮し、協力し、進めていくこと、またそれを管理し、そこに訪れる多くの人たちによって充実したものにしていく、というその過程そのものを、ThinkQuest では評価しようとしている。自分で考え、探求することなしに、回ることのないサイクル(作品制作)の中で、生徒が成長していくことを、ThinkQuest は推奨している。
 これらの評価は、審査基準として(資料1)あらかじめ参加者に提示されており、また審査員はこの基準をさらに細かく表した基準 (ルーブリック)にもとづいて採点を行う。

 ThinkQuest の全応募作品は、ルールに沿っているか、教育的な価値があるかなどの確認がされた後、Webベースの教材ライブラリーとしてインターネット上で公開される。現在、 ThinkQuest のライブラリーには、株式について学ぶページ、環境に優しい街づくりをするためのページ、プログラミング言語C++を学ぶためのページ、世界のさまざまな手話を学ぶページ等々の作品4000点が収められている。このようにして、インターネット上の、教材を充実させていくことも、ThinkQuest の大きな目的の一つである。
 
 実際、提出した作品は、審査が終了しても、半永久的に更新することが可能である。もし、参加した年に授賞できなかったとしても、次の年の ThinkQuest にその作品を「教育リソース宝石賞」の対象作品として、再度申請することもできる。この賞は、過去の作品の中で、コンテスト終了後も、より多くの人に利用され、一般に評価され(例えば、yahoo cool site に選ばれるなど)、成長した作品に贈られるもので、ThinkQuest が、一過性のコンテストではないことを象徴している。
 これは ThinkQuest が、質の高い教材の充実を目的としている上に、教材がそこを訪れた人たちによって、(掲示板、メール、アンケートなどで情報が提供されたり、改善されたり、意見が交換されたりして)より高められていくことを奨励しているからである。こうした双方向による「インターネットスタイルの学習」をThinkQuest は促進し、広めようとしている。


 1-2 国際コンテストと国内コンテスト

 ThinkQuest は1996年、米国でスタートした国際コンテストであり、英語で制作しなければならない。現在世界160カ国の中高生がこの国際コンテストに挑戦し、また、このうちの83カ国が、ナショナルパートナーとして、自国の生徒の参加を支援している。(資料2)日本においては「ThinkQuest 日本プログラム推進委員会」がこの役割を担っている。
 日本からは、98年に32チーム79人が参加、その後99年、2000年の3年間で、累計180人の高校生が、この国際コンテストに応募し、国内外の生徒とともに、作品制作に挑戦している。

 「ThinkQuest'99」においては、日本からの参加者を含む2チームが最終審査に残り、米国ロサンゼルスで開かれた授賞式に出席した。2チームは、それぞれ社会科学部門と科学数学部門において、銀賞を授賞。続く「ThinkQuest 2000」においても、日本からの参加者を含む1チームがHonerable Mention Award(佳作)を授賞、世界のトップレベルと伍することを証明した。


 2チームの作品について紹介したい。


佐藤由希さん
(神奈川大学附属中高等学校3年 1999年)

作品名 「Discovering China: The Middle Kingdom 」
URL http://library.thinkquest.org/26469/
作品概要 近現代の中国について、阿片戦争から香港返還までの近現代史における主要な事件、特に文化大革命についてまとめられた作品。また、歴史的人物や中国の代表的都市の紹介、さらに芸術、食、少数民族、宗教などの文化的な側面についても情報が掲載されている。
作品の画面

 佐藤さんは、南アフリカ、アメリカの生徒とチームを組み、主に原稿作成(英文)を担当している。ThinkQuest に参加した当時は、パソコンもほとんど使ったことがなかったが、英語と中国に強い関心があり、初めての挑戦で、授賞という快挙を成し遂げた。

 「基本的に、サイトの製作は楽しいものでした。ThinkQuest を通して、何人かの教授の方とも親しくなることができましたし、リサーチは新しいことの発見の連続でした。リサーチの仕方、ものを見る目が幾分養われたかと思います。また、チームメンバーやコーチ(一人はアフリカにいました)とのメール交換やチャットも楽しかったです。苦労したことは最初のうちは英語でした。メールを一通書くにも1時間ほどかかったりしていました。ましてや、私の仕事はリサーチと文章作りでしたから、大変でした。また、専門的な言葉を訳すときにも苦労しました。
(英中辞書も活用しました。)しかし、他のメンバーが編集の際に私のぎこちない英語を直してくれましたので、なんとかなりました(…と信じています)。」

〜佐藤由希さん ThinkQuest Webサイト掲載の体験エッセイ 
(http://www.thinkquest.gr.jp/community/3_1.html)
より抜粋〜



山田育矢君、山口真由子さん、丸山貴代さん

(慶應大学湘南藤沢高等部3年 1999年)

作品名 「THE COSMOLOGY
−EXPLORE THE LARGEST MYSTERY」
URL http://library.thinkquest.org/28181/
作品概要 最新の宇宙論について研究している作品。宇宙の歴史、宇宙の現在、および未来について、アニメーションや画像を取り入れながら解説。また、利用者がテーマを選んで、他の利用者と共に学べる作業スペース「バーチャルスクール」なども用意されている。
作品の画面


 このチームは、後述の「 ThinkQuest@JAPAN '98」に同じ内容の作品を日本語で制作し、最優秀賞を授賞している。メンバーを一人入れ替えての、英語版制作の挑戦であり、かつコーチには、宇宙論の専門家を自ら探して招き、指導してもらうなど、質の高い作品づくりに余念がなかった。

「ThinkQuest はコラボレーションが全てです。コンピューターを使ったコンテストと言うと、多くの人がコンピューター技術の無さから腰が引けてしまうようですが、良い教材を作ろうという意欲と、チームの強力なコラボレーションさえあれば、そんな事は問題にならないはずです。事実、私達のサイトにある全てのアニメーションと図を製作したのは、始めた当時は初心者だったメンバーです。 また、このページを作る上で最も大変だった事は、末永く使用できる教材を制作することでした。最もうれしかった事は、構築したシステムがユーザーによって
使われていることです」

〜山田育也君 ThinkQuest Web サイト掲載の体験エッセイ
(http://www.thinkquest.gr.jp/community/3_5.html)
より抜粋〜

 前述したナショナルパートナーを担う「ThinkQuest 日本プログラム推進委員会」では、当初、この国際コンテストに日本人参加者を送り込むことを目的に、参加のための支援・促進をスタートさせた。しかし、4年前の日本の学校の多くは、インターネット接続の環境はまだそれほど整っていなかった。それに加え、英語で制作するということ、またWeb教材を作るということも、日本の中高生にはあまりにも高すぎる参加条件だった。
 そこで1998年、推進委員会は「日本語でつくる ThinkQuest」=「ThinkQuest@JAPAN」を企画し、第一回目のThinkQuest@JAPAN'98を開催した。当初、「国際コンテストへの国内予選」として位置づけることも検討されたが、開始時点では、日本独自のコンテストとして、国際コンテストとは独立するものとなった。しかし、ThinkQuest のコンセプトはそのまま残し、「中学生・高校生の部」に加え、幅広い層からWeb教材を集め、充実させていくことを目的に「大
学生・社会人の部」を設けた。

 さて、スタートから3回目を迎えた ThinkQuest@JAPAN 2000 には、1280人が参加登録を行い、915人が制作に挑戦、そして430人が作品を提出した。表1の通り、応募数は倍増の一途を辿っているが、これは、個人の参加者の増加というよりも、むしろ学校が、情報教育の一環として、この教育プログラムを導入し始めたことに起因している。次項では、ThinkQuest@JAPAN 2000 の参加校の中から2校を取り上げ、どのように取り組んでいったのかを紹介したい。



2. ThinkQuest@JAPAN への取り組み
 

 2-1 ThinkQuest@JAPAN コンテストの概要
 
 ThinkQuest@JAPAN は、まずメンバー探しから始まる。一つの題材について興味あるメンバーが最低2人は必要なので、校内でマッチングする場合でも、個人で相手を探す場合でも、チームづくりというのは一つの重要なポイントである。基本的にメンバーの入れ替えはルールで認められていないので、チームづくりは時間をかけてほしい部分だ。
 ThinkQuest@JAPANでは、「チームメーカー」というマッチングデーターベースを Web 上に用意している。(http://db2.thinkquest.gr.jp/tq00/teammaker/)ここでは、自分の興味あるカテゴリや、得意な分野や技術(原稿執筆、テーマに関する知識やリサーチ、Webデザイン編集、イラスト)などを登録することができる。また、自分が求める能力を持った人材を検索して、相手を探すことが可能だ。データーベースで相手を探し、メールを送って交渉していくというこの作業から、ThinkQuest はすでに始まっているとも言える。

 募集は毎年7月に開始され、11月末に応募を締め切る。そして3月末の提出締切までに、作品をサーバーにアップロードし、提出書類をから提出して、審査を受けることになる。審査には総勢約100名の審査員を動員し、審査基準に従って、4段階にわたる審査を行う。最終審査に残ったチームのみが、授賞式に招待され、そこで結果発表を受ける、というのが大きな流れだ。(資料3参照)

 応募時には、チームの代表者が、作品のテーマと概要を記述した応募書類を提出する。作品の内容が教材として認められれば、チームとして受理され、50MBのサーバー容量を得ることができる。また作品提出時に出す提出書類には、メンバーの構成やインターネットの環境、メンバーの役割や、どのようにして制作を進めていったか、どのように協力したかなど、13項目にわたる細かい質問があり、それら全てを記入しなければならない。(資料4資料5 参照)

 半年から1年におよぶこのコンテストに、取り組んだ事例として、芝浦工業大学柏中学高等学校と在宅学習者を支援するアットマークインターハイスクールの2校について紹介する。なお、この事例あたっては、コーチとして取り組まれた各校の先生および担当者にご協力をいただいた。


 2-2 学校参加の例として (芝浦工業大学柏中学高等学校) 

 ThinkQuest には初めての参加であるが、すでに中学1学年時に国語の授業でWebページを制作しており、著作権の指導および制作にあたっての技術指導は、一通り終えている。その上で、Webページ制作については、2回目となった中学2年生全140人が、参加を行った。140人という人数を全員参加させるにあたり、7人の教員がコーチとして部門別に1〜2名つき、指導にあたっている。
 ThinkQuest については、このプログラムが「テーマを自分で自由に選択し、自主的に取り組める」ことに価値を見い出しての参加となった。目標とねらいにもそれがうかがえる。

 学年 中学2年 140人 
 コーチ 同校教師 7人 大学生1人
 目標 自分なりの問題意識を持ち、自分なりの答えをつかむこと。
 ねらい 作品を仕上げ、それが評価されることで広がりを持たせたい。
自分のテーマを見つけて、進路意識の啓発につとめる。
 
 初めての参加ということもあり、校内のみでチームづくりを行うこととなった。テーマの設定とチームづくりには、一人ひとりに興味ある分野を紙に書かせ、それを教師がソートするという作業により、マッチングを行ったようだ。

「全員参加が原則でしたので、友達を優先するか、テーマを優先するかで迷いましたが、目的に従って、テーマ重視にしました。生徒に自分のテーマや興味分野を紙に書かせ、その後、同じテーマや興味をもつ生徒のマッチングをある程度、教師が行いました。しかし教室に集めた後は生徒たちに任せました。ただ、細かいところでの違いはありますから、それはこちらで間に入りました。」(芸術・文学部門のコーチ 早川千春先生)

 また、題材設定のヒントやきっかけづくりとして、同校に設定されいている「ワールドデー」*という自由な時間を利用し、作品のテーマを決める前に、大学教員や卒業生の話を聞き、そこから自分のテーマへの足掛かりを作った。

*ワールドデーは各学年4クラスが同時のプログラムで動く時間で、教科ではない。講演を聴いたり、校外へ見学に行くなど柔軟に使える時間として同校に設置されているもの。

 ThinkQuest の活動は、この「ワールドデー」を中心に行われた。部門別に7人の教師がコーチとしてつき、それぞれ教室にメンバーを集めて、指導を行った。下記に、簡単にワールドーデーでのスケジュールを書き出していただいたので、紹介したい。

 活動時間:ワールドデー 隔週1回(土曜日 4時間)年間20時間 

<スケジュール>
2000年 5月13日   ThinkQuestの概要説明
教育実習生による大学で勉強している内容の説明

5月20日   担当教員7名がクラスを順番に回り、専門分野の説明
(テーマの提案)
テーマ検討の時間

6月17日   ロボットコンテストの優勝者〜卒業生の講演
鉱物学について〜大学教授の講演

7月 1日   コンピュータセキュリティについて〜卒業生の講演
環境、リサイクルについて〜大学教授の講演
個人テーマ決定→提出

7月15日   チーム決定
※前回個人で提出したテーマを教員が分け、その教室に集合。
その中で、近いテーマのものを探し、チームのマッチング。

9月 2日   文化祭準備〜文化祭ではThinkQuestの途中発表を義務付ける。
※1チーム5〜10分、パワーポイントを使用してのプレゼン。

10月 1日   文化祭
※この間が1ヶ月あくが、放課後を利用して、チーム登録を行う。

11月18日   制作活動。ここからチームごとに自由な時間を与える

12月16日   制作活動

2月17日   制作活動

2月24日   制作活動

3月 3日   制作活動

3月21日   作品提出


 以上のスケジュールを経て、同校では、最終的にほぼ全チームが作品を提出し、このうち2チームが第一次審査を通過し、授賞対象となった。また、応募の始まったThinkQuest Internet Challenge 2001(国際コンテスト)への挑戦も予定しており、また次回はマレーシアの姉妹校や、大学生、保護者も巻き込んで、ThinkQuest へ取り組んでいくことを計画している。

 学校で取り組む場合、年間のスケジュール管理が、コーチである教師にとって重要なポイントとなる。同校の取り組み方は今後参加される学校には、ぜひ参考にしていただきたいと思う。

 芝浦工業大学柏中学高等学校 Webページ 
 http://www.ka.shibaura-it.ac.jp/
 ThinkQuest@JAPAN 2000 [芸術・文学部門] 金賞
 「檸檬-梶井基次郎-」
 http://contest.thinkquest.gr.jp/tqj2000/30191/


 2-3 在宅学習者の参加例として(アットマークインターハイスクール)

 アットマークインターハイスクールは、「ホームスクール」という在宅学習者のための学習スタイルを採用し、生徒が自分自身で学習計画をたて、サポートティーチャー*のアドバイスを得ながら、学習を進めていく学校である。ThinkQuest に参加した生徒も、自分の学習カリキュラムにこのプログラムを組み込み、参加を行った。

*サポートティーチャー
教師ではなく、「教える」という行為はしない。学生が学習を進めるうえで、アドバイスや相談にのって、サポートを行う役割を担う。

 学年 10年(17歳)5人
 コーチ サポートティーチャーおよび教務担当 4人
 目標 後輩や他の学生の為に、教材となるような生きた学習素材を作る。
 ねらい チームを組むことにより、協力や役割分担をすることを学ぶ。
自分たちの為だけでなく、他の学生の為になるようなものを
作り上げる。

 同校の場合、スケジュール管理そのものを生徒が行うため、学生の自主性に任せるのが基本であるが、応募締切後に大まかなケジュールをたて、学生を促した。特に、作品づくりの技術的な部分については、時間を設け、指導を行ったようだ。

「基本的には自主性に任せていましたが、構成やウェッブの仕組みに関しては、方法を教えるのではなく、どのように調べていくかという道を示すようにしました。基準としては教えるのではなく、あることをするための知識を得る方法を示すという方向で指導を行っていました。」(コーチ 教務担当 伊藤潤子さん)

<スケジュール>
 11月末から12月末まで Webページ制作の基本的な技術を理解。
構成と全体のイメージを作る。
 1月末まで 各ページの内容を固める。
 2月以降締め切りまで 制作活動。完成。


 同校の場合、ホームスクールという性質上、メールやWebサイトは生徒と生徒、また生徒とサポートティーチャー間のコミュニケーションに、かかせないツールの一つである。学生には掲示板と学生用のメーリングリストを用意し、また、一人ひとりに学習報告をしたり、サポートティーチャーと話しあうページや、自分でWebページをアップロードできるスペースを提供している。個人で掲示板やチャットのページを開設している生徒もおり、こうした掲示板を活用して、チームメンバーを集めた参加者もいた。

 「こちらが提供するというよりは、自分のやりたいことを実現させられるような環境つくりを目指しています」(コーチ 教務担当 伊藤潤子さん)

 著作権指導については、やはり技術指導と同じように、あらかじめ指導を行った。

「ウエッブにある画像などや、個人・団体のHPへのリンクを貼る際に、確認を取る
ことや画像などがフリーであってもThinkQuest のHPで使用する際もフリーのままでよいかということを確認し、連絡を取ることを指導しました。」(コーチ 教務担当 伊藤潤子さん)

 同校の参加チームは、残念ながらファイナリスト(授賞対象)に到らなかった。しかし、校内で ThinkQuest に出場したチームを中心に、生徒が作成したホームページのコンテストを行い、学生自身とスタッフで審査を行った。ThinkQuest のコンセプトが学校というコミュニティを中心に広まり、ある時はカスタマイズされながら、浸透していくことが見て取れる例だと思う。また、ホームスクールという新しい学校のあり方に、ThinkQuest という教育プログラムがマッチした例であり、在宅学習者が通学生と同じ条件で参加できるプログラムとして、今後も導入していただきたいと思う。

 アットマークインターハイスクール Webページ 
 http://www.inter-highschool.ne.jp/
 「- Welcome to our American Football World! - 」
 http://contest.thinkquest.gr.jp/tqj2000/30255/



3. 最後に

 ThinkQuest@JAPAN 2000は、現在審査の最中である。6月には授賞式を行い、最終結果を発表する。これまではWeb上でのバーチャルなやりとりに終始していた仲間が、初めてリアルに顔をあわせる機会でもある。中には、インターネットを通じて知り合ったメンバー同士ゆえに、初めてメンバー全員が顔をあわせるというチームもある。
 また、審査員に作品の感想や評価、アドバイスを得ることもできる貴重な場でも
ある。

 国際コンテスト、ThinkQuest Internet Challenge 2001は、参加の募集を受け付けている。日本からも、ThinkQuest@JAPAN2000 に参加した生徒が、今度はその作品を英訳し、手を加えながら、国際コンテストに挑戦しようとしている。

 次回、ThinkQuest@JAPAN2001 の開始は7月末を予定している。より多くの参加者と質の高い作品がここから生まれ、インターネットを利用したコミュニケーションや創作活動が活発に行われていくだろう。

 ThinkQuest は、生徒自らが主体となって学習を進めていくプログラムである。文部省がうたう「生きる力」を促し、21世紀を生き抜く力強い人材を育てる教育プログラムとして、今後ますます発展していくことを確信している。

 



資料1 審査基準(ルーブリック)
 web参照

資料2 ThinkQuest ナショナルパートナーと国際コンテスト参加者推移
 web参照

資料3 コンテストスケジュール
 web参照

資料4 作品応募フォーム
 サンプル

資料5 作品提出フォーム
 サンプル

表1 ThinkQuest@JAPAN 応募者推移
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図版

 ThinkQuest@JAPANトップページ
  web参照